第一回秋谷豊【ランプ忌】に寄せて

ささき ひろし

 

第一回【ランプ忌】が開催できて、本当に嬉しく思います。              

思えば三年前の【詩人秋谷豊を偲ぶ会】のレジュメのあとがきに、
今後【ランプ忌】(仮
称)としていずれ開催を企画し、ご出席の皆様にご案内致たしますと宣言してから
早三年
が立ちました。今回、詩鴗館主催という形で、開催でき、
長男の千春ご夫妻には大変ご苦労
をおかけしました。
ご自宅の建物を、このよ
うに詩鴗館と位置づけし、運営している卓越した企画力は秋谷さんゆずりかと感心致しました。
この詩鴗館が、三年がかりで整理され、
インターネットのブログでも月間四万件を超えるアクセスがあるようです。
また限定して
一般にも公開されており、秋谷豊の詩精神が

今でも継続されているようで嬉しく思います。

【ランプ忌】は、ささやかにランプを灯しながら、故人を偲ぶというコンセプトのもとに企画された、
いわばお金をかけずに、その
分、愛情をたっぷりとかけた、手作りの温もりあるものになりました。
私の友人の詩人で
シンガーソングライターの石塚むげんさんに、

秋谷さんの詩に曲をつけて頂き、そのライブも今回のメインのお披露目でしたが、
ご本人
が先月ライブ中に脳梗塞で倒れ、ただ今、入院中であります。急きょ、
今回は先月、開催
しました千草賞の時に演奏した映像になりましたが、
本人が一番悔しい思いをしており、
ご出席の皆様にCDをよろしくとのことです。

永遠を歩く、ラクダに乗った秋谷さんの姿も見られますが、どうなりますやらお楽しみです。

  “ランプのように小さいけれど、きらりと光る”詩鴗館として、いずれ芥川龍之介のカッパ忌、
太宰治の桜桃忌、土橋治重の風忌の
ように、今後もこの【ランプ忌】の定着にむけて、
微力ながらお手伝いをさせて頂きたく、
決意も新たに致しております。

「ふしあわせな時代にこそ/ぼくらは詩をか/ただひとりランプにむかって」という懐かしい声が
【ランプ忌】の開催中に、永遠の
彼方から聴こえてくるようです・・・。    

「ランプ忌によせて」・・・ささき ひろし様